(1)うさぎの主食
あなたはうさぎさんに毎日どんなごはんをあげていますか?
うさぎさんはどんな物を主食にしていますか?
①ラビットフード(ペレット)
主食にはなりません。おやつです。
②野菜
主食にはなりません。おやつあるいはおかずです。
③市販のうさぎ用おやつ
健康のためには与えないことをおすすめします。おやつ類に含まれる過剰な糖分や澱粉質は盲腸内環境を悪化させ下痢や発酵異常を招いたり、虫歯の原因になります。また、さつまいも、かぼちゃ、食パンや蒸麦などの穀類も与えない方がよいでしょう。
④牧草
うさぎの主食は牧草です。他の物では代用できません。
なかでもイネ科のチモシーが最適です。柔らかい葉を好む子には2番刈りのチモシーを、硬い茎や穂先を好む子には1番刈りのチモシーをお奨めします。
短くカットされていると嗜好性はいいのですが、蛋白質やカルシウムが多すぎるので主食には適しません。
(2)うさぎに必要な食事
①牧草
朝と夜の2回、たっぷりあげてください。いつでも好きなだけ食べられるように、少し多めにあげるとよいでしょう。朝あげた牧草が夜になっても残っていたらそれは処分して新しいものにかえて下さい。うさぎさんは古くなって風味が悪くなった牧草は食べてくれません。牧草は贅沢させてあげましょう。また、週に一度はペレットと野菜を与えない牧草だけの日を作ることをお奨めします。
②ペレット
必ず量を制限して与えます。生後6ヶ月未満なら体重の2.5%、生後6ヶ月以上なら体重の1~1.5%を一日2回に分けて与えます。
ペレットの量を制限することで牧草をたくさん食べるようになり、盲腸内環境や歯の摩耗状態が正常に保たれます。また、ペレットにはハードタイプとソフトタイプの2種類がありますが、ソフトタイプを選ぶようにしてください。ハードタイプはうさぎの奥歯の形態には不向きです。与え続けていると歯がぐらついて歯根腫瘍など歯の病気を引き起こす可能性があります。
多くの飼い主さんはペレットを与えすぎている傾向があります。うさぎさんにとってペレットはとても美味しいおやつなので、与えたら5分以内で食べきる量が適量です。お皿にペレットがいつまでも残っているなんで我が家のうさぎ達にはまずありえません!もし給与量を制限しているのにペレットの食べが悪かったら・・・毛球症などお腹の調子が悪い可能性があります。
③野菜
いろいろな種類の野菜の味を子うさぎのうちに覚えさせましょう。与える野菜の量はその子の頭ひとつ分を目安に1日に1~2回に分けて与えますが、うさぎさんは夜行性で夜間の採食量が多いので夜1回与えればいいように思います。野菜が多すぎると牧草を食べる量が減ってしまうので与えすぎはよくありません。また、根菜類、人参、キャベツや白菜のしんなどを多く与えると軟便になりやすいので注意が必要です。果物はごく少量をたまに与えるくらいなら問題ありませんが、毎日たくさん与えると盲腸内環境が悪化するのでよくありません。野草では緩下作用をもつタンポポや収劍作用をもつナズナなどがおすすめです。特に毛球症の時にはタンポポを与えてみてください。
我が家のうさぎが毛球症になったときには普段大好きなキャベツや小松菜には見向きもしませんでしたが、タンポポを与えたところムシャムシャ食べて復活してくれたことがあります。おそらく野生下ではその時の体調によって食べる野草を選んでいると思います。
④水
ウォーターボトルを利用すると便利です。きらさないように与えてください。
(3)食生活で予防できる主な病気
歯科疾患(臼歯過長やそれに伴う歯根膿瘍)、
【毛球症ってどんな病気?】
胃腸の動きが悪くなり、胃の内容物が腸へ流れなくなります。
以前は、飲み込んだ毛が原因となり、胃の中で毛球ができるとされていました。
最近では胃腸の動きの低下が先にあり、その結果毛球ができたり胃の内容物が排泄されなくなると考えられています。
胃が動かなくなっている状況(胃アトニー)と、毛の塊などが胃や腸をふさいでいる状況(部分閉塞および完全閉塞)があります。
胃は脱水してしぼみ、さらに流れが悪くなる悪循環となります。また、ガスや胃液がたまって胃拡張になる場合もあります。完全閉塞で胃がパンパンに張っている状態は、死亡率の高い緊急疾患です。
■症状
・食欲がない。お水を飲まない
・ペレットを食べない(あるいは食べるのに時間がかかる)
・便が出ない、小さくなる
・憂鬱な表情で体を固く緊張させて座りこむ。たまに上半身を前に伸ばしてお尻を突き出すような格好をする。
・あくびが増える
・暑くないのに呼吸が速くなる。歯ぎしりをする(これらは痛みのサイン)
■治療
・点滴
・流動食や水分の補給
・お薬
・完全閉塞の場合は、胃内容物やガスの抜去や手術が必要 予防 牧草を食べ、1日1時間程度の運動、リラックス(ストレスや痛みはおなかの動きを低下させる)
■その他
胃に毛球があってもあきらめない!成長期に出来た毛球は高い確率で排泄されます。
また、慢性的に毛球がある子は、できたり排泄してなくなったりを繰り返していることも多いです。
食欲がなくなったり、症状のサインを見つけたら急いでご来院ください。迅速な治療を行うと、早く良くなるlことが多いです。
【子宮の病気について】
うさぎには子宮の病気が多いといわれています。
野生のうさぎ達は、コロニーと呼ばれる集団で数羽から十数羽で暮らしています。メンバーは、リーダーのお父さんうさぎと複数のお母さんうさぎ、そしてその子供たちです。
お母さんうさぎは約30日の妊娠期間で4~6羽の赤ちゃんをうみます。お産は年に4~6回!!
食べられてしまう立場の弱い生き物だから、数で子孫を残す戦略です。
飼育されるうさぎさんは、人生で多くて数回の出産しか経験しないことがほとんどで、寿命も野生の子たちに比べると大変長生きです。寿命が長くなるにつれて、腫瘍などいろいろな病気が増えるのはヒトや他の動物と同じです。