動物にやさしい医療を提供します
オゾンとは?
空気中の酸素(O2)が化学反応で変化した物質(気体)でO3と化学式で書きます。
オゾンは非常に不安定な物質で、安定した酸素になろうとする性質があります。また、他の物質にくっついて自らを安定した酸素になろうとします。この時に放出された酸素原子(O)が他の物質と結合したときに酸化反応を起こします。この酸化反応を消毒・殺菌・脱臭・漂白に利用しています。最近では洗濯機や空気清浄器にも採用されています。
【医療での応用】
人の医療分野では、ヨーロッパ、特にドイツを中心に治療が行われています。オゾンの殺菌作業だけでなく免疫調整作用、消炎鎮痛作用、抗ガン作用による治療効果をあげています。具体的には感染症、皮膚病、免疫不全、ガン患者の補助療法、糖尿病の循環不全、アレルギー疾患など一般に難治性疾患に有効性が示されています。
【動物におけるオゾン療法】
小動物におけるオゾン療法はまだ始まったばかりですが、国内動物病院でも多くの動物にオゾン療法が実施され、その有効性が示されています。
小動物に対するオゾン療法は、注腸法(肛門からオゾンガスを注入)で行う事が多く、全く痛みや不快感が無いのが特徴です。この他皮膚系疾患にはオースリー油の利用、または膿瘍の洗浄にはオゾン水の利用、オゾン自家血液療法等で免疫調整を引き出し、動物自身の自己治癒する力を引き出す治療方法です。従って副作用が極めて少ない治療法です。
特に免疫力の低下している高齢の動物にはお薦めの治療です。オゾン療法を受けた飼い主様からは、なぜだか元気になる!という評価を多く頂きます。また、アレルギー疾患などでステロイド使用を避けたい場合などにも一度お試しすることをお勧めします。
専用シリンジにオゾンガスを入れ、カテーテルなどで、肛門からオゾンガスを注入します。
【オゾン療法の注意点】
・オゾンガスを吸引しない事
・甲状腺機能亢進症の動物には使用しない事
【オゾン療法の推奨される疾患】
皮膚疾患、老齢性疾患、腫瘍、耳疾患、疼痛を伴う運動機能疾患、各種感染症、アレルギー疾患、自己免疫疾患など
通常治療との併用療法、またはオゾン単独療法の選択は、動物の症状や病気の種類によって異なります。また、オゾン療法は万能ではなく、著明な効果が現れる場合や効果が不明瞭な場合もある事を理解してください。
少なくとも動物のQOLを高めるためには有効だと考えています。
【治癒の実際】
*注腸は週に1回から2回が目安(症状により2週に1回)
*オースリー油は1日1回が目安(薄く塗布する)
【治癒法患者様に合った治療法のご案内】
注腸法、皮下注射、オースリー油、少量自家血療法、MAH、オゾン水による治療
※詳しくはスタッフまで
【生体に対するオゾンの作用機序】
医療用オゾンガス(オゾンと医療用酸素の混合ガス)の主な作用は
1.細胞の代謝を活性化
2.免疫系の調整作用
3.生体系の抗酸化能を調整
4.消炎鎮痛作用
5.血小板凝集阻害作用
などが認められています。
動物では多くの疾病に対する治療や治療の補助とてQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上が期待されます。
【オースリー油(オゾン化オイル)】
オリーブオイルにオゾン・酸素混合ガスを導通して作られたオースリー油を術後の難治創や褥瘡(床ずれ)火傷、悪臭を伴う自壊創、耐性菌や真菌性皮膚炎や耳疾患に使用する事が出来ます。
また、かゆみを主徴とする局在性の皮膚炎にもオースリー油が有効です。
【オゾン水】
オゾン水は殺菌・消臭効果のみならず、即座の消炎鎮痛作用があります。
当院ではオゾン水を利用した腫瘍洗浄、耳道洗浄などを行い、有効な効果をあげています。